「いつか準備しなきゃ」と思いながら、後回しにしていませんか?
子どもがいる家庭の震災対策は、大人だけの備えとは必要なものが大きく異なります。避難所での配給は大人向けが中心で、熊本地震の支援報告では総計278万食が配給されたうち、パンやカップ麺はそれぞれ50万食以上配給されたのに対し、ベビーフードはわずか9千食だったという実態があります。子ども用の備えは、自分でするしかないのです。
この記事では、乳幼児から小学生まで年齢別に「今すぐ揃えたいもの」を整理します。
まず全家庭共通で揃えておくべきもの
年齢を問わず、子どもがいる家庭なら必ず用意しておきたい基本セットです。
子供は大人よりも身体的に弱く、環境の変化にも敏感で大きなストレスを感じやすいため、心と体の両方をきめ細かくケアできるアイテムを準備することが重要です。
飲料水避難場所の備蓄に頼らず、ご家庭でも最低人数×3日分の飲料水を準備しましょう。目安は1人1日3リットルです。

非常食:子どもが食べ慣れた食品をローリングストックするのが基本です。ローリングストック方式は年齢に合わせて変化していく非常食や消耗品の管理がしやすくなります。


母子手帳・保険証・お薬手帳:母子手帳には予防接種の履歴など子どもの成長に必要な記録が詰まっているため、大切なページはクラウドにも保存しておくことが勧められています。また、すぐ持ち出せるケースにまとめておくのも大切です。

安心グッズ:その子ならではの日常に必要なもの——おもちゃ、絵本、お絵かきセット、ぬいぐるみなど——があれば用意しましょう。避難生活の不安を和らげてくれます。

家具の固定:<cite index=”9-1″>東京消防庁の調査によると、近年の大地震における負傷の原因の3〜5割は家具類の転倒・落下・移動によるものと報告されています。</cite>突っ張り棒・粘着マット・L字金具を使って今すぐ固定を。

【乳幼児(0〜3歳)向け】特別に必要な備え
乳幼児の備えは、食事・衛生・移動の3点が特に重要です。
ミルク・食事
液体ミルクは調乳不要で、容器を開けたら常温ですぐに飲ませることができるのが長所で、防災備蓄として注目が高まっています。普段から飲み慣れさせておくとさらに安心です。


避難生活では緊張や疲れ、強いストレスで母乳が出にくくなることもあるため、粉ミルクや液体ミルクの備えが重要です。粉ミルクの場合は調乳用に国産の軟水を1日1.5L×1週間分用意しておきましょう。
新生児〜5ヶ月向けには液体ミルク6回分以上+専用乳首、または粉ミルク+軟水+発熱剤の組み合わせが基本セットとされています。


衛生用品
おしりふき・除菌シート・ウェットティッシュは各1パック以上、さらに除菌・消毒グッズも備えておきましょう。水が使えない避難生活では特に重要になります。おむつは最低3〜7日分を備蓄しておくのが安心です。

移動・防護
抱っこひも、おくるみ、ガーゼ・タオル、着替えセット、帽子(頭を守るもの)、携帯アルミブランケットも必需品です。

特に小さな子どもがいる場合、子どもを抱っこした状態で持てる重さかどうか、持ち出しバッグを一度確認してみましょう。
アレルギーへの備え
避難所の配給(パンやおにぎり)には卵・乳・小麦が含まれていることが多く、食物アレルギーがある場合はアレルギー対応の非常食(アルファ米やライスクッキーなど)を自力で確保しておく必要があります。

【小学生以上向け】子ども自身が動けるための備え
小学生になったら、子ども自身が「自分の身を守る」行動ができるよう準備しておくことが大切です。
子ども自身の持ち出しセットを作る
ランドセルや小さめのリュックに、以下を入れておくのがおすすめです。
- 笛(ホイッスル):瓦礫の下などで居場所を知らせるため
- 小さな懐中電灯
- 飴・チョコなどの携行食
- 家族の連絡先を書いたカード(スマホが使えない場合に備えて)
- 絆創膏・常備薬
「171」の使い方を家族で練習する
<cite index=”13-1″>災害用伝言ダイヤル(171)は被災地で携帯電話がつながりにくくなったとき安否確認ができるサービスで、伝言を録音・確認するために使う電話番号を家族や親戚間であらかじめ共有しておく必要があります。</cite>毎年3月11日・9月1日の防災訓練日に家族で試してみましょう。
集合場所・避難ルートの確認
子どもが一人でいるときに地震が起きることもあります。「学校にいるときは→学校に待機」「一人で帰宅途中なら→近くの避難場所へ」など、ケース別の行動を子どもと一緒に話し合っておきましょう。
知っておきたい:災害時は無料Wi-Fiが使えます
被災時にスマホの通信回線が混雑してつながらなくなったとき、頼りになるのが**「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」**です。
<cite index=”27-1″>平時に有料で提供されている公衆無線LANサービスを、災害時に無料開放する取組で、総務省とも連携しながら「一般社団法人無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)」が取りまとめたガイドラインに基づいて実施されています。</cite>
<cite index=”23-1″>ドコモ・au・ソフトバンクの携帯キャリアが垣根を越えて無料開放する公衆無線LANサービスで、2016年の熊本地震で初めて提供されました。2023年5月にはガイドラインが改訂され、災害発生時だけでなく大規模通信障害時にも利用できるようになっています。</cite>
使い方はとても簡単です。<cite index=”26-1″>契約等は特に不要で、どなたでもSSID「00000JAPAN」を選択すればパスワード不要でインターネット接続が可能です。</cite>スマホのWi-Fi設定を開いて「00000JAPAN」を選ぶだけです。
ただし注意点もあります。<cite index=”28-1″>緊急時の利便性を重視しているため通信の暗号化はされておらず、セキュリティが低い点に注意が必要です。総務省では情報収集の利用に留め、個人情報の入力をはじめとするセキュリティリスクを伴う場合の利用は十分に注意するよう推奨しています。</cite>安否確認や避難情報の収集に絞った使い方が安心です。
👉 総務省公式ページ「00000JAPAN(ファイブゼロ・ジャパン)について」 https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/public_wi-fi/freewifi_00000japan.html
チェックリスト:今すぐ確認したい10項目
- [ ] 飲料水(人数×3日分=最低9リットル)
- [ ] 子ども用の食料(ベビーフード・好きな非常食)3〜7日分
- [ ] 液体ミルク or 粉ミルク+軟水(乳幼児がいる場合)
- [ ] おむつ・おしりふき(乳幼児がいる場合)3〜7日分
- [ ] 母子手帳・保険証・お薬手帳のコピーまたはデータ保存
- [ ] 子どもが安心できるおもちゃ・ぬいぐるみ
- [ ] 家具の転倒防止対策(タンス・本棚・テレビなど)
- [ ] 家族の集合場所・避難ルートを決めている
- [ ] 子どもの連絡先カード(スマホなしで連絡できる準備)
- [ ] 171の使い方を家族で共有している
まとめ
子どもがいる家庭の震災対策で最も重要なのは、「支援が届くまでの数日間を自分たちで乗り切る準備」です。特に乳幼児の食事・衛生グッズは避難所での配給に頼れないことを前提に、必ず自分で備えておきましょう。
防災グッズは一度揃えたら終わりではありません。年に2回は「防災の日」を設け、家族全員で中身を見直し、賞味期限や季節用品を更新することが大切です。3月11日と9月1日を目安に、家族で点検する習慣をつけてみてください。
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