昨今「体験格差」という言葉をよく耳にするようになりました。
習い事、旅行、自然体験、文化活動——学校の外で子どもが経験できることに、家庭によってこんなに差があるんだ、と知ったのは割と最近のことです。2023年にチャンス・フォー・チルドレンという団体が全国の小学生の保護者2,097人に聞いた調査では、年収300万円未満の家庭では子どもの約3人に1人が、1年を通じて学校外の体験が何もないことがわかっています。年収600万円以上の家庭と比べると、2.6倍もの差があるそうです。
数字で見ると、ちょっとドキッとしますよね。

お金の問題って、実はもっと複雑
「収入が低いと体験させてあげられない」——それはそうなんだけど、話はそれだけじゃないんです。
物価高騰の影響もあって、この差はじわじわと広がっています。同じ調査では、低所得世帯の約2人に1人が「体験の機会が減った、または減りそう」と答えています。一度なくなった機会は、なかなか取り戻せない。
さらに気になるのが、今の経済状況が厳しい保護者ほど、自分が子どもの頃も体験が少なかったという傾向があること。つまり体験格差って、一世代で終わらず、親から子へとつながっていきやすいんです。

「情報」があるかどうかも、じつは大きい
見落とされがちだなと感じるのが、情報の差です。
補助金、無料の体験イベント、NPOが運営する低コストなプログラム——実は調べると選択肢はけっこうあります。でも、そういう情報にたどり着けるかどうかは、親の情報収集力にかなり左右されます。
東京大学とベネッセ教育総合研究所の共同調査(2024年)では、子育てや教育の情報をSNSやネットから得る保護者が増えていることがわかっています。情報収集が得意な親は、お金をあまりかけずに質のいい体験を見つけられる。でも、どこを調べればいいかわからない、そもそも調べる時間がない、という親も少なくない。
お金の差だけじゃなく、情報の差も体験格差を生んでいる。これって、あまり語られないけど大事なことだと思っています。
通勤中にスマホではなく本で情報収集するのもお勧め、また子供にどうなってほしいかを考えて逆算すしてみて、お受験を検討するもひとつだと思います。
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ワーキングマザーとしての、正直な気持ち
共働き家庭、とくにワーキングマザーならではのしんどさも、ここには絡んでいます。
放課後NPOアフタースクールの調査(2025年)では、共働き家庭の子どもは放課後の選択肢が限られやすく、祖父母や親戚と過ごす機会も少ない傾向があると示されています。「今週末こそどこかに連れて行きたい」と思っていても、仕事の疲れが抜けていなかったり、家事が山積みだったりして、気づいたら一日が終わっている——そういうこと、ありませんか。
やりたい気持ちはある。でも、余裕がない。
この「余裕のなさ」が、静かに子どもの体験を削っていく。そして「また今週もできなかった」という罪悪感が積み重なっていく。体験格差って、子どもの問題であると同時に、親のしんどさの問題でもあるんだなと思います。

数字の奥に、子どもの顔がある
「3人に1人」「2.6倍の差」——データは大事だけど、その数字の向こうに一人ひとりの子どもがいます。友達の旅行の話に黙って耳を傾けている子、「どうして私は習い事できないの?」と親に聞けない子。
体験って、楽しい思い出をつくるだけじゃなくて、自己肯定感や将来への意欲にも関わっています。文部科学省の調査でも、幼い頃に豊かな体験をした子どもほど、大人になってから自尊感情や精神的な回復力が高い傾向があると示されています。
解決策を語れるほど、まだわかっていないことも多い。でもまず、こういう格差が「ある」と知ること——それが最初の一歩なんじゃないかな、と思っています。
そもそも、体験格差って言っても何が良くて何が悪いのか?その定義・認識も人によって違いますよね。。。自然で走り回れる、ボールを好きに蹴れる、国内・海外旅行を存分に楽しめる、サマースクールに参加できる。
あなたが子供に経験してほしい「体験」とは何ですか?
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